沖縄のお墓は本土のお墓のイメージとは全く違います。形も違えばスケールも違う…。「まるで家みたい!」という人も多い沖縄のお墓の秘密をまとめました。

屋根の形が2種類ある

沖縄のお墓は、屋根の形が特徴的です。しかも沖縄風の屋根には「破風屋根」と「亀甲屋根」の2つがあり、この形そのものがとても特徴的です。

まず破風屋根。これは琉球王朝時代から続く伝統的なお墓の形です。まさに家の屋根のような形をしているので、石造りの小さな家のように見えます。このような形になった由来は諸説ありますが、「あの世でも家族と再会できますように」という願いが込められているというのが一般的な説です。

これに対して亀甲屋根は、亀の甲羅のような形をした屋根が特徴です。亀甲屋根は「きっこうばか」「かめこうばか」と呼ばれるお墓に使われ、比較的規模の大きなお墓や門中墓(一族が共同で使うお墓)でよく見かけます。

亀の甲羅のように見える屋根ですが、この形は女性の子宮を模しているという説が一般的です。「死者の霊は再び女性の子宮に戻る」という琉球古来の考え方に基づいているといわれています。

お墓を建てる時にオプションで椅子を注文する人が多い

最近はお墓を建てる時、墓石の素材で墓専用の椅子を注文する人が増えています。沖縄では先祖崇拝が浸透しているので、お墓の前で行う行事もたくさんあります。

また沖縄ではお葬式当日に納骨を済ませるのが一般的なので、高齢の親族が参加しても体に負担がかからないように椅子を準備することがよくあります。つまり墓石で椅子を作るのは「わざわざ椅子を持ってこなくても気軽に墓参りが出来るように」という配慮があるからなのです。

ちなみに金額が高いお墓を注文すると、通常はオプションで注文する墓用の椅子がサービスでついてくることもあります。また1人掛けの椅子ではなくベンチタイプの椅子を設置しているお墓も見かけます。もちろん墓専用の椅子をつけた墓を建てると、高齢の親族からかなり評判が良いです。

骨壺の収納スペースがデカい

沖縄では家族用のお墓でも、骨壺を収納するスペースが本土と比べて広いです。規模の大きなお墓になると、大人が数名中に入っても大丈夫なほどのスペースがあります。このように広いスペースが確保されている理由は主に2つあります。

まず沖縄では骨壺のサイズが本土の物と比べると大きいです。これは火葬された遺骨をすべて収納することが風習として残っているからです。本土では遺骨の一部を収骨し、残った遺骨は共同墓などに合祀されます。

ところが沖縄では細かな骨もすべてほうきのようなもので拾い、骨壺に納めます。そのため骨壺のサイズは、本土の物と比べると2回りほど大きいのです。こうしたこともあって、家族用の小型のお墓でも本土のお墓と比べると収納スペースが広く設計されているのです。

もう一つの理由は、沖縄の葬儀の風習と関係します。もともと沖縄では風葬といって、遺体を自然の状態で白骨化させたあとに洗骨(せんこつ/骨を洗った後再び墓に埋葬すること)をしました。文明とともに白骨にするまでの遺体の安置場所が墓の中へと変わり、それに伴って墓の内部スペースも広くとられるようになります。ちなみに洗骨の後の遺骨は一族が共有する巨大な骨壺に収められるのですが、遺体を安置する場所が必要になるので収納スペースが広くなったというわけです。

沖縄のお墓は宴会をする場所?

沖縄では墓の前で行う行事が年に数回あります。中でも一番盛大に行われるのが春の「清明祭(シーミー)です。これは墓の前で先祖の供養を行い一族の結束を改めて確認するというのが本来の意味なのですが、墓参りの後にはごちそうがふるまわれるので、いわゆるピクニック状態になります。

しかも沖縄では一族が集まると必ず酒がふるまわれるので、人数が多いほど「お墓でピクニック」ではなく「お墓で大宴会」へと変わります。墓の前で宴会をするという風習がない本土出身の人から見るとびっくりする光景なのですが、地元ではこれが年中行事なのでやらない方が「どうして?」となります。ちなみにシーミーの時期に管理型墓苑に行くと、敷地内一体が大宴会場になっていてちょっとびっくりします。

雨除け・日除けの屋根を簡単に取り付けられるようになっている?

お墓での行事が多い沖縄では、天候を気にせずお墓参りが出来るようにブルーシートなどを使って簡単に屋根を作ることができるように、あらかじめ支柱などを完備しているお墓があります。もちろんこのような設備を作らずワンタッチ型のテントを持ち込むという人もいますが、さすがにこの方法は誰でも簡単にできるというわけではありません。

その点、ブルーシートは折りたためば簡単に持ち運ぶことができますし、使い方次第でいろいろなことにも使えます。ですから基本的にどの家庭でも1枚はあります。

そんな便利なブルーシートを使って簡単に屋根を作るためには、どうしても支柱が必要です。そのため墓にあらかじめ支柱を設置するのです。ブルーシートが貼られていない時には「骨組みだけのビニールハウス」に見えますが、これがあるのとないのでは墓参りの快適さに違いが出ます。

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