
自然豊かな沖縄での移住ですから、せっかくならば「自給自足の生活を送りたい」と思う人も多いはずです。では実際に沖縄で自給自足の生活は本当に成り立つのでしょうか?
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多少の不便は自給自足と引き換えにしておく
自給自足の生活を送りたいのであれば、やはり自然豊かなヤンバルか離島を選ぶしかありません。沖縄本島内であれば多少の不便さもある程度はカバーされますが、離島となると「生活物資が届くまでに時間がかかる」「高度な医療が受けられる病院がない」「高校がない」など様々な問題もあります。
でもこれらのことが気になるようならば、あなたが思っているような自給自足の生活は手に入りません。不便な田舎に住むからこそ、沖縄の豊かな自然を肌で感じることができます。
「利便性を重視したいけれど自給自足も捨てがたい」という欲張りさんは、沖縄本島の南部または中部の地域に行けば叶うかなうかもしれません。ただしこの場合も車があることが前提です。
完全な自給自足生活はかなり厳しい…
結論から言ってしまって申し訳ないのですが、完全な自給自足生活は沖縄の現在の環境から考えるとかなり厳しいといえます。特に家族で移住をする場合は、子育てをする環境としてもあまりお勧めできません。
完全に自給自足をするとなれば、自然がしっかりと残っている場所に住まなければ無理です。もちろんこうした場所にも住んでいる人はいますが、代々住んでいる人でも半自給自足がほとんどです。
何しろ沖縄には電車がありません。学校に行かせるためには車がどうしても必要です。でも車を持つためにはガソリンが必要ですから、何らかの方法で現金を確保しなければいけません。
さらに子供が病気になった場合も、へき地の場合は地域に診療所があるだけです。大きなけがや病気が見つかった場合は、対応してくれる救急病院まで連れて行かなければいけません。救急車が出動できる範囲であればよいのですが、ドクターヘリでなければ対応ができないところもあります。
このようなことを考えてみると、子育て世代が完全な自給自足生活を沖縄で実現するのは限りなく不可能といえます。
のんびり自給自足で老後を楽しみたい人なら可能かも…
「元気なうちだけ自給自足生活を満喫し、将来的には病気などのフォローもしてくれる施設に入ろう」という人であれば自給自足生活も可能でしょう。
なにしろ沖縄は海と山が非常に近い場所にあるので、海の幸も山の幸も簡単に手に入ります。また南国フルーツも多く自生しているので、食卓にも彩が出ます。もちろん米も栽培できますので、自給自足はできるはずです。
車がいるにしても普段は自給自足のために体を動かしているわけですから、使う頻度も限られます。これならば年金の範囲で十分に生活することができます。
完全なる自給自足はあきらめたほうが沖縄移住は成功する
完全な自給自足はかなりハードルが高いですが、半自給自足生活なら割と簡単に実現できます。
働き方を見直して自給自足生活を実現
お金を稼ぐ方法は会社勤めをする以外にもたくさんあります。これまでのような「8時間労働+通勤時間」という生活から「通勤時間」だけを省略すれば、その分畑で自給自足することができます。
また自分たちの食事を賄えるだけの食料を確保すればよいと考えるのであれば、畑仕事や漁に充てる時間もかなり短縮できます。
逆に働く時間を見直してみることでも半自給自足生活は可能です。これまでフルタイムで働いていた部分をパートタイマーに切り替えれば、収入そのものは減りますが自由に使うことができる日中の時間は増えます。精神的にもストレスから解放されますので、満足度もかなり上がるはずです。
家計を一度見直してみる
半自給自足生活では、日常生活で必要となる出費をどれだけ抑えることができるかがポイントになります。そのため成功させるには、現時点での家計に無駄がないか見直してみる必要があります。
お金がないことに自分の生活を合わせていくのではなく、無駄を省いて最小限の出費で生活をすることが半自給自足生活のポイントです。ですから無駄を見つけるのと同時に、「あなたができること」「あなたではできないこと」の2つを見極めていくことも大事です。
もちろん半自給自足生活では、家の修理やリフォームなどもできるだけ自分で行うのが基本です。でも「畑仕事は得意でもDIYは全くダメ」という人は、少なくとも家の修繕にかかる費用は必要経費として考えておかなければいけません。
逆に「半自給自足生活することによって携帯電話を使う必要がなくなった」という人もいます。この場合は現代人の必須アイテムである携帯電話の通信料がカットできます。携帯電話の通信料は月々の出費と関係してくるので、長期的に見ても大幅なコストダウンになるといえます。
何を優先したいのかが決まれば自給自足生活は実現できる!
自給自足生活を実現したいのならば、優先させたいものを1つに絞ることが大切です。どうしても自給自足生活がしたいのであれば、生活の不便さはあきらめることです。
でもせっかくの沖縄移住なのですから、途中でリタイアして帰るよりは自分のペースで進めていくほうが絶対にいいはずです。少しずつ完全自給自足にシフトしていけば、ネックとなる不便さもそれほど気にならなくなるはずですよ。