最近身内に不幸があって沖縄でお墓を建てることになりました。ところがいざ探してみるとお墓がない!「分譲中」と書かれた看板を見て霊園に行っても「完売です」と!なぜ沖縄でお墓が売れるのか考えてみました。

もともと沖縄って門中墓じゃなかったっけ?

お墓

沖縄のお墓といえば、一族一同が入る共同のお墓・門中(むんちゅー)墓が主流です。門中というのは同じ子孫を持つ父方(男性側)の血縁関係者のことを言います。門中の大きさにも様々ありますが、大きな門中だと一族の共同墓である門中墓のサイズも大きくなります。

スタンダードな沖縄の門中墓といえば亀甲墓のイメージが強いでしょうが、小高い山一つをそのまま門中墓にしたものもあります。また崖の上に登って岩を掘り出して作った門中墓もあります。いろいろなお墓がありますが、共通点もあります。

そもそも門中墓にはたくさんの遺骨が納められるので、一定期間が過ぎると墓の中にある合祀用の場所に遺骨を撒き新しい骨壺を納めるスペースを作ります。これはどの門中墓にも共通していることです。

また門中墓は同じ門中であれば基本的に入れます。でも同じ門中でも入ってはいけない人がいます。特に小さな子供はひとりで中に入ることはできないため、仮墓を作りそこに納めます。

入れない人がいるという理由については諸説あるのですが、「寿命を全うした人でなければ門中墓に入ることが出来ない」というのが定説です。そのため小さな子供や自殺、水難事故などで亡くなった人は「その人の寿命を全うせずに亡くなった」ということになるらしく、門中墓に入ることが出来ないのだそうです。

門中墓に入るには意外と大変らしい

門中墓は門中で共有する巨大なお墓です。そのため基本的に門中であれば入ることはできるため、墓をわざわざ購入しなくても納骨先がなくて門中墓があれば困るということはありません。(私の身内の場合は門中ではないのでこれには該当しませんでしたが…)

ただ門中墓に入るためには、普段から門中と付き合いをしておかなければいけません。もちろんお墓の維持費のためのお金も納める必要があります。また大きな門中墓の場合、納められているご先祖様の子孫たちがものすごい人数がいるので、墓の行事についても決まりがあります。

特にお墓で行う春の清明(シーミー)は、大きな門中墓になると子孫たちが家族単位でそれぞれお供え物を持参し墓前にお供えするために行列を作ります。しかも墓前で過ごす時間も1家族あたりで決められているらしく、ゆっくりとお墓の前でピクニックという雰囲気はありません。

こうしたいろいろな事情もあって、門中墓があっても個人で家族の墓を建てる人が年々増えているのだといいます。

所得ランキングが全国一低い沖縄でどうして高額なお墓が買えるのか?

シーサー

お墓を買うとなると家を買うのと同じくらい一大決心が必要なお買い物ですよね?確かに私事ではありますが、私の場合も数年前から頭金として少しずつ貯めていました。もちろんこんなに早く購入することになるとは思わなかったので、もう少ししてから相談してみようと思っていただけです。

ただお葬式が終わったものの四十九日が過ぎても遺骨を納める場所がないのでは困るということで、急遽前倒しでお墓探しをする羽目になったというわけです。

そうは言うものの家から車で20分圏内の場所には分譲されているお墓はなく、車で30分以上かかる場所にようやく2か所見つけました。ところが平日にもかかわらず霊園管理事務所にはすでに墓の相談のために先客が…。

「どうしてこんなにお墓が人気なのか?」という理由の一つに門中制度というものがあるということは分かったものの、「なぜ高額なお墓を所得が低いといわれる沖縄でこんなにも売れるのか?」という疑問が残ります。

「頭金は?」「金額は?」「どこにそんなお金があるの?」

いろいろな疑問が浮かび上がる中、ついにその答えがわかりました。

お墓ってローンで買えるのね!

ようやく私の順番になりお墓の相談を始めると、それまで浮かんできた疑問の答えがわかりました。

お墓も分譲マンションや戸建て住宅と同じように、頭金があって月々の支払いがボーナス払い併用で〇十年必要なのだと思っていた私。そんな私の目に飛び込んできたのが「頭金なし・最長10年で月々2万円以下」の文字!

つまりいろいろな事情があったとしても先祖の供養を何よりも大事にしている沖縄では「お金がない」ということが「お墓を買わない」という理由にはなりえないのです。

ただ「墓を継ぐ人がいない」という場合は永代供養墓という方法が人気なのですが、基本的に子孫が多い沖縄では誰かが墓を引き継ぐことが出来ます。つまりよほどの事情がない限り「お墓がなければお墓を作る」が常識ということなのです。

ただ子どもがたくさんいる家庭が多い沖縄では、子育てをしていくだけでもお金がかかります。所得だって全国的に見てもワースト1位。それでも墓を購入する人が後を絶たないのには、「お墓はローンで買うもの」ということが沖縄県民の間では常識になっていたというわけです。しかも頭金がなくても、月々の返済額がそれほど負担にならない程度で立派な家族墓が建てられるのです。

このことを私がもっと早く知っておけば、もう少し相談がしやすい時期に近場で安くお墓を買うことが出来たはず…。そんな風に思いながら管理事務所を後にしたのでした。

【結論】沖縄でお墓は決してハードルの高い買い物ではなかった!

実際にお墓を購入するためにいろいろなところに足を運んできた結果、なぜ沖縄でお墓がこんなにも売れるのかという疑問の答えが見えてきました。

まず沖縄の人にとってお墓はご先祖様の供養をするための大事な場所であり、「なければ購入する」というのが一般的な常識だということ。さらに「沖縄ではお墓はローンで買う」ということも常識になっているので、お墓を買うこと自体は決してハードルの高いこととは考えていないということです。知る前と知った後では、沖縄のお墓の見方も随分と変わってくるものですね。

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