ホームセンターは日用品から家具・ガーデニングなど様々な商品が集まっている便利なお店です。ただ沖縄のホームセンターには、県外ではまず見ない仏具売り場が存在します。そこには沖縄ならではの事情があります。

沖縄のホームセンターの仏具売り場とは?

ホームセンターで購入する仏具といえば「神棚」の方がメジャーですよね?

確かに沖縄のホームセンターでも神棚はあります。でもこれと「仏具売り場」はまた別です。

沖縄のホームセンターでは、どのホームセンターに行っても必ず「仏具コーナー」があります。

ただし、仏具コーナーに仏壇があるというわけではありません。あくまでも仏壇などで使う仏具だけを取り扱っています。

代表的なものは「香炉」「湯呑」「花瓶」です。ただし色は白がほとんどです。これは沖縄の台所にいるとされている「ヒヌカン(火の神様)」のための仏具です。そのため色は白い色をしているのが基本です。

もちろん湯呑や花瓶に色がついているものもありますが、こちらは仏壇用として使うのが一般的です。

さらに沖縄でなければ見かけることがない仏具に「うちかびセット」と呼ばれるものがあります。

ウチカビセット

キッチン用品でよく見かけるようなステンレス製のボールのようなものなのですが、その大きさは大人が頭にかぶるとすっぽり隠れてしまうほど巨大です。

これにフライやてんぷら専用の鍋によくついている油切りに似たステンレスの付属品と長い金属製の箸がセットで付きます。これが「うちかびセット」と呼ばれるものです。

ウチカビ

うちかびは、沖縄では「グソー(あの世)のお金」と呼ばれていて、盆や法事などの時に仏壇の前で燃やします。

ただうちかびは紙でできていますし「うちかびを燃やす=ご先祖様にお金を差し上げる」という意味があるため、燃やすうちかびの量は大量です。

この大量のうちかびを家の中(最近では外で燃やすケースもありますが…)の仏壇の前で燃やすのですから、安全に燃やしきるためにも専用の道具が必要になります。

それが「うちかびセット」なのです。

ヒヌカン専用のステンレス製の台もホームセンターに常備されている

ヒヌカンは火の神様ですから、台所にいる神様といわれています。

もちろん神様がいるわけですから、お祈りをするための神棚のようなものを準備する必要があります。

沖縄のヒヌカンの神棚は、一般的な神棚とは全く違います。

香炉にチャーギ(榊)を飾る花瓶1対、湯飲みが1対をセットで置きます。

神様へのお祈りは定期的に行わなければいけませんし、お祈りをする時には沖縄の伝統的なお線香であるヒラウコーを使います。

ヒラウコーは、その名の通り平たいお線香です。

一般的なお線香の6本分が合体しているといえば何となくイメージが出来るでしょうか?つまりこのヒラウコーを使って焼香をすることがヒヌカンにお祈りをする時の正式なスタイルになります。

ただ台所に置くわけですから、香炉も小さいです。しかもヒヌカンは日の神様なので、コンロの近くに置くのが一般的です。

そんな場所で線香をたくのですから、灰が飛び散ったり火種が香炉の外に落ちてしまっては大変です。そのためこうしたことを防ぐために、ヒヌカンの仏具を乗せる専用のステンレス製の台があります。

もちろんアルミホイルを敷いて代用するケースの方が多いのですが、新築の家や賃貸住宅の場合はヒヌカンの周辺に焼け跡が付かないようにステンレス製の台の上に仏具一式を置きます。

私はホームセンターで初めてこの台を見た時に「どうやって使うものなんだ?」ととても疑問に思っていましたが、実際に使っている人の台所を見させてもらったときにようやくその使い方がわかりました。

ちなみに昔はどこの家庭でもヒヌカンを祀っていましたが、最近はヒヌカンがない家も増えてきました

将来ヒヌカンを祀らない家が大半を占めるようになれば、沖縄のホームセンターからヒヌカン用の仏具一式が姿を消す日も来るのかもしれません。

ホームセンターの食器売り場では一年中お重箱が販売されている

食器類の販売も行っているホームセンターですが、沖縄の場合は食器売り場でも不思議な光景が見られます。

重箱

お重箱というと一般的には「お正月に使うもの」というイメージがありますよね?ですからホームセンターでお目見えするのは年末の一時期ですので、常備されているというイメージは少ないはずです。

ところが沖縄のホームセンターでは、お重箱は定番商品です。しかも種類もたくさんあります。

基本的に柄が付いていない無地の黒いお重箱となっていて、2段1組となっています。

これは沖縄の法事料理に使う専用の容器となるので、沖縄のホームセンターでは一年中販売しています。

お重箱の中に入れる品物には決まりがありますが、品物や品数は地域や家によっても変わります。そのためホームセンターではいろいろなサイズのお重箱があります。

ちなみにお重箱に入れる伝統料理のことを「重箱料理」と言います。

重箱料理はお葬式の納骨や追善供養のような弔事にも使いますが、そのほかにもお墓の前で春に行うシーミーや旧盆などご先祖様の供養をする時には必ず準備します。

最近は重箱料理をスーパーや総菜屋で買う人も増えているのでお重箱を持っていない家庭も増えていますが、昔は全て手作りをしていましたので今でも需要はあります。

そのため沖縄のホームセンターでは一年中定番商品としてお重箱が販売されているのです。

沖縄のホームセンターはまだまだ奥が深い

沖縄のホームセンターをのぞいてみると、まだまだ沖縄ならではのグッズがたくさんあります。

今回は仏具コーナーをメインに紹介してみましたが、仏具に関すること以外にも本土出身者から見ると「なにコレ?」と思うものがたくさんあります。

こうしたものを沖縄のホームセンター巡りで探してみるのも、「リアルな沖縄の文化を知る」という意味でいえば面白いかもしれませんよ!

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